とある霞がかった春の夕暮れ時のこと、
ふと我が家の駐車場を見れば、この辺では見かけない猫ちゃんが困り顔してたたずんでいました。
「あらっ、どうしたの?」と声をかけたら、
「にゃ~」と鳴いて寄ってきました。
ころころとして人懐っこそうな猫ちゃんです。猫ちゃんはまるで、
「お家が分からなくなっちゃったの」と訊ねているような、あるいは、
「ここに置いてかれちゃったんだけど、いつお迎えがくるのかな?」
とでも言いたげなようすで、こっちをじいっと見上げています。
はて、どうしたものやら・・・春の夕暮れ、困り果てる2人(1人と1匹)なのでした。
※イメージです
問いたげな見知らぬ猫来夕霞 瑚幸
といたげなみしらぬこくゆうがすみ こゆき

霞〖春の季語・天文〗春霞・朝霞・夕霞・遠霞・薄霞・棚霞・霞む
春になると水蒸気が立ち込め、空の色・野面・山谷など遠くのものが霞んで見え、また横に筋を引いたように棚引く霞を生じます。
夕霞の季語でもう一句! 「春の上野」のお題で( ´∀` )

夕霞上野の山は鴇色に 瑚幸
ゆうがすみうえののやまはときいろに こゆき
鴇色はトキの風切羽の色で、桜色がやや黄色がかった淡く優しい桃色です。
春の夕暮れには、桜が夕日に染まってこんな色に。
さらに暗くなると、今度は漆黒の中で白っぽく浮き立ったように見えてきます。
朝、昼、夕、夜と、桜がお色直しをしているようですね。
いつもありがとうございます。
迷い猫でしょうか。それとも、捨て猫? あるいは散歩の途中?
引っ越しの多い今頃は、ペットクリニックや保護団体、猫を飼っていると思われる家などの前に猫を捨てていく人もいるのだとか。