心の中にお茶室をつくれば、「ひとり茶道」を始められます。
お茶を一服、自分のために点ててみる。
湯気が立ちのぼり、ふわりと広がるお抹茶の香り。茶筅をシャカシャカと動かす音だけが、静かに響く。
ただそれだけのことなのに、気がつくと、心がすっと軽くなっていき、さっきまでのイライラや疲れ、言葉にならない焦りや不安が、少しずつやわらいでいきます。それが「ひとり茶道」です。 ー 本書より ー

一日5分で自分をリセットする ひとり茶道/竹田理絵 著/㈱青春出版社
茶道は、完璧じゃなくていいんです。
正座をしなくてもOK、道具がそろっていなくても、たとえば、お抹茶茶碗の代わりに、カフェオレボウルやマグカップでお茶を点てていただいても大丈夫です。
「こうしなきゃ」は一度脇に置いて、お茶碗にお抹茶とお湯を入れて、シャカシャカと点ててみる。たったそれだけで、自分と向き合うスイッチが入ります。
こう語る「ひとり茶道」の著者・竹田理絵さんは、裏千家教授で茶道歴40年、茶名は宗理。株式会社茶禅の代表取締役で、世界30か国に茶道を中心とした日本文化の作法を支援するグローバル茶道家です。
ひとり茶道を始めるのに必要な道具は、茶碗と茶筅の2つだけ・・・。
そういえば、お抹茶茶碗が2つありました。深緑の茶碗と桜の茶碗。それから茶筅も。
お抹茶は一応ありましたがやや古くなっていたので、竹田理絵さんのアドバイス(下記)を参考にして、新しいお抹茶を少し買うことにしました。
” おいしいお抹茶は、鮮やかな緑色をしています。
くすんだ緑色のものは、質が低かったり、酸化が進んでいたりする可能性がありますので、できるだけ明るく鮮やかな緑色のものを選んでください。
産地として、特に有名なのは京都の宇治、福岡の八女、愛知の西尾や静岡などで、これらの地域のお抹茶は品質が高く、安定した味わいがあります。”
・・・とのこと。迷ったときは、これらを参照にということでした。
さっそく気楽にシャカシャカと点ててみました。
すると、あら、不思議。本当に気持ちが静かになりました。忙しいこの師走のひととき、ほんの数分ですが、ふと訪れる静寂。
何にもつけ足さず、何にも差引かずに、今のまんまで満たされた気持ちになりました。
シャカシャカに集中していたからでしょうか?
これはいい習慣に出会いました・・・と、ほくそ笑む私。
ちなみに初心者でもできる「おいしい抹茶の点て方」がありましたので、参考までにここに書いてみました。
おいしい抹茶を点てる手順
用意するもの: お茶碗、茶筅、お抹茶、茶こし、茶杓(スプーンでOK)
① お茶碗のなかにお湯を入れて、茶筅もそのなかにつけて温めます。お茶碗を温めることでお抹茶が冷めずにおいしくいただけます。また竹製の茶筅を温めることで柔らかくなり、おいしいお抹茶を点てることができます。
② お茶碗のなかのお湯を捨てて、ふきんなどで水滴が残らないように拭きます。水滴が残っているとお抹茶がダマになりやすいので気をつけましょう。
③ お抹茶を茶杓なら軽く2杯、スプーンなら1杯(約2g)すくいます。
④ お抹茶は茶こしでふるいながら、お茶碗のなかに入れます。お抹茶が細かい粒子となり、ダマにならずに、滑らかでおいしいお抹茶を点てることができます。スプーンの背でやさしく押しながらふるいましょう。
⑤ 80℃のお湯を70mlお茶碗に注ぎます。熱湯を使うと香りが飛び、苦みが出やすくなりますので、少し冷めたお湯を使うことでお茶の甘味成分であるアミノ酸が溶け出します。
お湯の冷まし方としては、沸騰したお湯を別の容器に移すと約10℃下がります。
⑥ 茶筅は縦方向に手首のスナップをきかせて、「m」の字を書くように泡立てます。泡立て器のようにぐるぐるとかき混ぜるのではなく、手首を柔らかくして、力を入れすぎずに素早く前後に振ります。
⑦ 20~30秒茶筅を動かし、ふんわりと泡立ったら出来上がり。最後に「の」の字を書くようにして泡を整えます。
裏千家では泡立てる点て方をしますが、流派によっては泡立てないところもあります。
おいしいお抹茶ができたでしょうか?

私が点てたお茶です。まあまあ、でしょうか。
こんなふうに秋頃から、「ひとり茶道」で、ひとりでお抹茶を点てて、ひとりでいただいてきました。
いつしか季節は冬になりました。すると深い緑色のお茶碗や桜のお茶碗では、季節にそぐわないような気持ちになりました。
春夏秋冬、それぞれのお抹茶茶碗があってもいいかもしれない。そう考えて買ったのが、これでした。

白い冬桜のような、あるいは白い雪が降り積もったようなお茶碗です。

冬の桜は、春の華やかな桜とは違って、白っぽく花の数も少なくどこか幻想的で静謐な感じがしますね。まさに冬のお茶碗にふさわしいように思いました。
ひとり茶道を始めてから、忙しい毎日のなかでも、ふっと自分をリセットして穏やかな気持ちを味わうことが出来るようになりました。
これが来年の秋まで続いたら、今度は秋用のお抹茶茶碗を購入しようかなと思っています。
最後に、千利休の茶道の心の教えについて書いてありましたので、覚書としてここに記しておこうかなと思います。
利休七則
1.茶は服のように点て
・「服」とは飲むことを意味します。つまり、お茶は、相手がおいしく飲めるように点てなさいという教えです。自分本位ではなく、相手の立場を思いやる心が求められます。
2.炭は湯の沸くように
・これには単に炭に火をつけるのではなく、風の通り道、炭の大きさ、燃えやすさ、時間経過を見越して、一つひとつの炭をどう組むか思案しなければなりません。その繊細な配慮の姿勢が、この言葉の本質にあるのです。
この、お湯がちゃんと沸くように、炭の置き方を考えるというのは、結果を見越した準備と配慮を忘れないようにという、極めて普遍的な教えです。
3.夏は涼しく冬は暖かに
・季節感だけでなく、空気を読む力を象徴しているのです。重要なのは、涼しくしたり、暖かくしたりすること自体ではなく、相手が涼しいとか、暖かいと感じられるように、心を配ることです。そこに茶道の神髄があるのです。
これは表面的な忖度やご機嫌取りとは異なります。相手の立場や状態に心を添わせ、その場にふさわしい雰囲気や言葉を選ぶという、思いやりの知性でもあるのです。
4.花は野にあるように
・自然の花は、人間の手で整えなくても美しく、むしろ、手を加えることで、その本来の魅力が損なわれてしまうことさえあります。
自分を飾り立てずに本来の姿でいることが一番であるというメッセージでもあります。
日々の暮らしのなかで、背伸びをせず、等身大の自分でいること。自然体で人と向き合うこと。
5.刻限は早めに
・単に「時間を守りましょう」という意味だけではありません。
時間に余裕を持って行動することで慌てることなく、気持ちにゆとりが生まれるという教えでもあります。
この心得には、お客様をもてなす心と場を整える責任感が込められています。
相手の時間と気持ちを大切にし、遅れや慌ただしさで空気を乱さないようにする。刻限より早く整えることは、相手への敬意であり、自分の品格の表れなのです。
6.降らずとも雨の用意
・予期せぬ事態を想定し、心の準備を整えておくことで、どんな出来事にも穏やかに対処できるのです。
現代社会では、予定通りに行かないことが日常茶飯事です。ひとり茶道の時間も、子どもの声や宅配便が乱入することがあるかもしれません。そのようなときも、そういう日もあるわと笑い、また一服。それが心のしなやかさにつながります。
7.相客に心せよ
・相客とは同席したお客様のこと、つまり、同席したお客様同士がお互いに気遣い、尊重し合い、ともに楽しいひと時を過ごせるように思いやることで、より心地よい空間になるという教えです。
一碗のお茶に思いを込め、相手を敬い、一期一会の出会いを慈しむ。人と人との間に温かな絆を紡ぎ出します。
たぶん私の「ひとり茶道」は、ちゃんとした茶道の心得のある方には、眉をしかめられるいいかげんなかもしれません。でも、それでもいいのです。
自分が自分のために点てるお茶ですから、自分が満足すればOK!OK!大OK!なのです(笑)
あなたも「ひとり茶道」は、いかがでしょう?
いつもありがとうございます。久しぶりに、一句詠みました。
テーブルに抹茶をひとり冬桜 瑚幸



















季節のサラダ












