桜さくら堂

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疾風ロンド/東野圭吾ミステリー/感想レビュー・紹介など

医科学研究所から極めて強力な生物兵器「K‐55」が盗まれ、とある雪山に隠された。犯人は隠し場所を教える代わりに、3億円を要求してきた。ところが犯人は、交渉する間もなく事故死してしまっていた。

生物兵器は、雪が解け気温が上がると拡散してしまう仕組みになっている。手がかりは、テディベアの写真のみ。

事情があって警察に頼ることが出来ず、回収を命じられた研究員の栗林は、スノーボードにハマっている息子を連れて、とあるスキー場に向かうのだった。

 

「どこの雪山だと思う?」

「さあ……」栗林は首を傾げ、写真を一枚ずつ画面に表示させていった。十枚のうち三枚は『K-55』を映したもので、場所の特定にはまるで役立たない。手がかりがあるとすれば、テディベアを写した七枚の写真だ。

中には、遠くの稜線が映っているものもあった。だが雪山に縁のない栗林に、どこの山なのかをいい当てられる道理がなかった。

 ― 本書より ―

 

疾風ロンド/東野圭吾 作/実業之日本社

 

極寒の昨今、北海道や日本海側は大雪が降っているもようですが、こちら側の関東地方は北風ビュービューの乾燥の日々です。

積雪で日常生活が大変な皆さんには申し訳ないのですが、

寒い寒いと下を向いて縮こまっていても仕方がないので、寒さを楽しもうと思って・・・そうだ! 雪を楽しんでいる話を読もう! この冬は、

1.雪を感じる話が読みたい! 

2.できれば面白く読みたい! 

3.さらに、スキー場で滑っている気分を味わいたい!

ということで、ふと目に止まった本がこれでした。

 

研究員の栗山は、スキーもほとんど滑れません。それが広大な雪山であるスキー場へ、上司の命令で生物兵器の回収に行くことになります。同行するのは、スノーボードにハマっている中学2年の息子秀人ただ1人。(1.達成)

そこへ生物兵器を横取りしようとするある者が、スキーが上手い人を送り込んできます。栗山はその人物に、気を許してうっかり秘密を話してしまいます。

大丈夫なんでしょうか?

ハラハラ、ドキドキします。(2.達成)

さらにスキー場のパトロール隊員の根津とスノーボード選手の千晶という女性が出てきますが、この2人の滑りが圧巻です。圧雪されていないコース外の深雪を滑りますが、まるでその場に居合わせたような、あるいは自分が滑っているような臨場感がありました。(3.達成)

それもそのはず、東野圭吾さんの略歴に「スノーボードをこよなく愛し」と書いてありました。あ、そういう人なんだ。物語のスノーボードにハマっている少年って、もしかして作者自身がモデルかも?

 

” リフトのすぐ横は林だった。だが木の間隔は比較的広い。だから滑走禁止にはなっていないのか、時折スノーボーダーが勢いよく通過していった。雪煙を上げ、じつに気持ちがよさそうだ。”

 

” 実際に滑ってみると、想像以上の素晴らしさだった。

深雪特有の浮遊感が得られるだけでなく、斜面の途中に程よいウェーブがあるのだ。安定して滑るには技術が求められるが、予期しない方向に身体が振られる感覚は、秀人にとって初体験のものだった。

木の間を通り抜けるのも爽快だった。後半には自然のハーフパイプといえるものまであり、秀人は自分の持てるテクニックを駆使して、その中を縦横無尽に動き回った。”

 ー 本書より ー

 

読んでいると、自分までスキー場の深雪の上にいるような気分になってきます。滑っているような臨場感があるのは、作者自身がその感覚を知っているからでしょう。

生活の場面では歓迎されない雪ですが、ことスキー場においては、準主役であることに成功しています。

 

生物兵器を横取りしようとする人物も現れます。これがなかなかスキーが上手いんですね。栗山に親切そうに近づいてきます。

現地の中学生のスキー教室も開かれます。この子供達は雪慣れして、スキーが上手く、怖いもの知らずの中2ですから、コース内を滑っていない子もいるわけです。そうして、あるものを発見します。

また、カワ(・∀・)イイ!!女子もいて、秀人と仲良くなったりもします。

 

他に、パトロール隊員の根津は元スノーボード選手で、雪にうずもれた栗山を救出したりして、話にからんできます。パトロールを手伝っている千晶という魅力的な女性もいて、圧巻な滑りをして話を盛り上げます。

 

ラストの手に汗握る雪山でのスキー&スノーボードアクションは、どんでん返しにつぐ、どんでん返しスキー場なだけに(笑))で、意外なことに・・・

 


疾風ロンド 新装版 (実業之日本社文庫) [ 東野 圭吾 ]

 

これ(疾風ロンド)がなかなか面白かったので、同じく東野圭吾さんの” 恋のゴンドラ ”も読みました。

これはちょっと話を作り過ぎなような感じもしないでもありませんが、面白く読めました。少~~し、ドタバタ喜劇っぱい恋でした。

これも疾風ロンドと同じスキー場が舞台なので、疾風ロンドと同じパトロール隊員とかがチラチラッと出てきたりして、親近感を感じました。(笑)

 


恋のゴンドラ (実業之日本社文庫) [ 東野 圭吾 ]

 

sakumiti.hatenablog.jp

 

いつもありがとうございます。” 白銀ジャック ”は数年前に読みましたが、今度映画化されるとか? 楽しみです(*^^)v

 

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