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文人俳句への招待/著名文人の俳句を紹介/感想レビューなど

”文人たちは俳句にいかに接し、親しんできたか”

という副題のように、俳人・石井龍生氏による明治から現代に至るまでの文人の俳句の紹介と解説になります。各文人は下記のとおり。(敬称略)

夏目漱石・久保田万太郎・室生犀星・久米正雄・永井荷風・北原白秋・内田百閒・竹久夢二・萩原朔太郎・宮沢賢治・吉屋信子・三好達治・太宰治・藤沢周平・寺山修司・森村誠一など。

 

夏目漱石のように子規と親交が厚く約2600句と数多の俳句を詠み、俳句が出発点だった文人もあれば、宮沢賢治のように31句と少なく余技にすぎない文人もいて、それぞれに参考になりました。

最近では森村誠一氏が、写真俳句で新たな俳句世界を切り開いています。

写真俳句は私などはさぼって、ただ俳句に合う写真を添えているだけですが、実際の写真俳句は、写真と俳句があいまって写真よりも俳句よりもさらにより良きものへと昇華したもののようです。

 

文人俳句への招待/石井龍生 著/五曜書房

 

各章にはそれぞれの作家が俳句とどうかかわって、どんな俳句を詠んできたかが簡潔に書かれています。そして、章の最後には、石井龍生氏が選んだ50句があり、本の裏表紙には、それぞおれ1句が書かれています。

たとえば夏目漱石は、

肩に来て人懐かしや赤蜻蛉

という句が選ばれていますが、もし漱石の人生と俳句との関係性を知らなければ、ただ赤蜻蛉を詠んだ句と思うかもしれません。

漱石と子規との交友はよく知られていますが、漱石はヨーロッパ留学中には句作が途絶えましたが、この間には子規が亡くなっています。

帰国後、漱石は胃潰瘍で入院し静養のために修善寺に行き、この回復期に再び俳句を詠んでいます。この赤蜻蛉の句も、この時に詠んでいます。

そんなふうに考えると、漱石の肩に止まった赤蜻蛉は、もしかして子規(の魂)と思い懐かしんだのではないのだろうか、というような気がしてきます。

さて、どうなんでしょうか。

ただ漱石は修善寺大患後に、人に迫ってくるような作品を詠むようになったということは、お弟子さんをはじめ多の人が語っているようです。

 

このように作家の歩いた人生と俳句を並べて見ると、俳句がより深く感じられてきますね。

といってもこの本は、それぞれの文人のダイジェストのようなものなので、もし琴線にふれる作家がいたら、もっと詳しく調べてみるのもいいのかなと思います。

石井龍生氏による各文人俳句の一句は、次の通りです。

 

肩に来て人懐かしや赤蜻蛉               夏目漱石

湯豆腐やいのちのはてのうすあかり           久保田万太郎

青蛙おのれもペンキぬりたてか             芥川龍之介

あんずあまそうなひとはねむそうな           室生犀星

春の雪ひとごとならず消えてゆく            久米正雄

羽子板や裏絵さびしき夜の梅              永井荷風

向日葵のゆさりともせぬ重たさよ            北原白秋

亀鳴くや夢は淋しき池の縁               内田百閒

あし音をまつ明暮や萩の花               竹久夢二

秋さびし皿みな割れて納屋の隅             荻原朔太郎

狼星をうかがふ菊の夜更かな              宮沢賢治

手のつかぬ月ゆたかや初暦               吉屋信子

日の照れる石も愛しき二月かな             三好達治

幇間の道化窶れやみづつぱな              太宰治

梅雨寒の旅路はるばる母決ませり            藤沢周平

わが夏帽どこまで転べども故郷             寺山修司

群れ跳びて入り日に溶けり赤とんぼ           森村誠一

 

どの句も情景が浮かんでくると共に、底には深い想いもあって、ほれぼれするような名句ばかりですね。

 

 


文人俳句への招待 文人たちは俳句にいかに接し、親しんでいたか [ 石井龍生 ]

 

 

 

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