植物学の本を読むと、「雑草は弱い植物である」とあります。
植物にとって重要なのは、光や水の競争に勝つことです。そのため競争に強い植物が競い合う深い森の中のような場所には雑草は生えません。
雑草はそういう強い植物が得意としないような、人に踏まれる場所や草刈りされるような場所をあえて選んで生えます。
雑草は弱い植物だからこそ、そういう場所で生き残ろうとしているのですが、私たちから見れば、逆にそういう道端に生えている雑草が強く見えるのです。

大事なことは植物が教えてくれる/稲垣栄洋 著/マガジンハウス
雑草が、植物の中では弱い、というのは意外でしたね。そして、さらに、
タンポポは高く伸びるわけでも茎に葉をつけるわけでもないので、上へ上へと伸びる植物の競争には強くないので、ほかの植物が生育できないような踏まれる場所を好んで生えます。背が低くても光を浴びることができるからです。
冬にほかの植物が種や球根の形で土の中に眠っている間に、ロゼットの形で葉をぴったりと地面につけて光合成をしながら、根っこに養分を貯えていきます。
タンポポはロゼットの葉で寒さと戦いながら、春に花を咲かせる準備をしているのです。そうして春になったら、まっ先に黄色いかわいい花を咲かせます。
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何も咲かない寒い日は、下へ下へと根をのばせ。
やがて大きな花が咲く。
ー これはシドニーオリンピックの女子マラソンで、日本女子陸上初となる金メダルを獲得した高橋尚子選手が座右の銘としている言葉です。かつて高校の陸上部顧問の中澤正仁さんに贈られた言葉だそうです。
気候が良いときは、植物は上へ上へと目に見えて成長していきます。しかし、地上の成長ができないときは、植物は下へ下へと成長します。
植物たちは、何も咲いていないように見えるときほど、成長しているのです。
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スミレはただスミレのように咲けばいい
ー これは天才数学者といわれた岡潔氏のことばです。
多変数複素関数論の未解決問題である「ハルトークスの逆問題」に取り組み、「不定域イデアル」という概念を用いたという成果がありますが、何のことだか一般の人々には理解できません。岡氏はこういいました。
「私は数学なんかをして人類にどういう利益があるのだと問う人に対しては、スミレはただスミレのように咲けばよいのであって、そのことが春の野にどのような影響があろうとなかろうと、スミレのあずかり知らないことだと答えてきた」
じつに爽やかな回答ですね!
雑草とは、未だ価値を見出されていない植物である。
ー ラルフ・W・エマーソン 〖アメリカの哲学者〗 ー
ほかに、春紫苑(ハルジオン)とヒメジョオン(姫女苑)、落語の「百年目」の旦那という言葉など、面白い逸話が盛りだくさんでした。エッセイなので興味があるところから、ちょっとした隙間時間に気軽に読めるのでいいですね。
植物の意外な発見があって、いろいろと参考になりました。
いつもありがとうございます