田村セツコさんは黒ねこと暮らしてきて、猫からはたくさんのことを教わってきたといいます。
「猫のように」というエッセイで、アメリカの作家、ポールギャリコの小説から、ジェニイの哲学を書いています。
” 『疑いが起きたら――どんな疑いにせよ――身づくろいすること』
『もしあんたが何か過ちをしでかすとか、人に叱られたような場合――身づくろいするの』
『もしも足をすべらすとか、何かから落ちるとか、誰かに笑われたような場合――身づくろいするの。もし誰かと議論して負けるとか、自分が落ちつくまで、敵対行為を一時中止したいと思ったような場合、すぐ身づくろいを始めるの。これはよく覚えておいてちょうだい――どんな猫でも、相手の猫が身づくろいしているあいだは、妨害しないものなの。それがあたしたちの社会で一番大事な規則なの』 ”
田村さんんが云うように、やっぱり猫ちゃんの処世術っていいですね。” 困ったときには身づくろい ” 是非、マネしたいですね。

おちゃめな老後/田村セツコ 著/WAVE版
田村さんでまず目をひくのは、おしゃれなことです。
「カワイイ文化」の発祥地として世界の注目の原宿に暮らしていて、通りがかりの人に写真を撮られるほどです。
ある日のコーデは、白のパフスリーブのブラウスに黒のベスト、白黒チェックのスカートにシフォンのエプロン。大きな水玉模様のリボンのついた帽子から、エクステを三つ編みにして…という感じ。イメージとしては” おばあさんの妖精 ” とか。
⇚お店で借りたエプロンで、パチリ📷
自分流のおしゃれを楽しんでいる田村さんを冷たい視線を向ける人には・・・
” やっぱり自分が満たされていて幸福な人は、意地悪な目で人をじろじろ見たりはしないと思うのよね。だから、そういう視線にぶつかってしまったときには、
「そんな目で人を見るなんて、よほどあなたは不幸でおつらいんでしょうね」
なんて心の中でつぶやいたりしています。 ”・・・とか。
それからこうもいっています。
” 容姿の美しさって、どうしても年を重ねると変化するでしょう。
でも、ていねいな所作や物腰、やさしい心遣いというのは、いくつになっても、変わらずに魅力的なものだと思います。
「ていねい」は、自分で自分を教育して、磨いていけるもの。そして、それは、自分の魅力をやわらかく彩り、輝かせてくれるものだと思います。”

成功したイラストレーターで、有名で、原宿に住んで、健康で、かわいいことが大好きで・・・って、そんな苦労知らずのようにも見えますが、田村さんはご両親と妹さんの介護を6年間もしてきて、自宅でお母様を看取ったという過去もお持ちです。
その間は毎日、仕事と介護に明け暮れ、ほとんど眠れずにふらふらになりながら生活をしていましたが、それでも「自分か介護に向いてるかも」なんて思っていたのだそうだから、さすがとしか言えませんね。
田村セツコさん流の” ふんわりとした人づきあい ” や、” 落ち込んだときのとっておきの方法 ” ” 仕事への向き合い方 ” など、すてきな話が盛りだくさん。
いつか誰にでも訪れる老後というお年頃には、こんなおちゃめなおばあさんになりたいと思飢えるような一冊でした。
いつもありがとうございます