「二組は強いのか? 優勝するのか?」
当然、勝たないと意味がないって思ってる。
でも、おれはとうさんとはちがう。
おおなわ大会が終わったとき、双葉や簾やみんなが、笑顔でいてくれることをたいせつにしたい。おれたちの成功はそこだから。
ー 本書より ー

おおなわ跳びません/赤羽じゅんこ/静山社
星川小学校では、毎年恒例の『おおなわ大会』があります。
これは低学年と高学年の部に分かれて、クラス対抗でおおなわを跳び、1番多く跳べたクラスが優勝として大きなトロフィーがもらえます。
一列になってひとりひとり順番になわに入り、跳んではぬけ、8の字のように跳んでいきその数を競う”八の字跳び”で、ひっかかったり入れなかったりするとノーカウントになるのですが、つぎに跳べた人からそれまでの回数に足していくというルールです。
跳ぶのは3分間と決まっているので、ひっかかった人が多いと記録がのびにくくなります。
大なわ大会が近づいた日の学級会で、突然、双葉が、
「おおなわ大会には出ません」といいます。
理由は足が悪いため、「うちが出ると、五年二組は勝てないからです」とのこと。
クラスメートはざわつきます。
このお話の面白いところは、それぞれのクラスメートの視点から、それぞれの思いや個性が書かれていることです。
最初は、双葉の親友の「小田原さくら」から。
さくらはいわゆる普通の子です。双葉が学級会で発言する前に、そのことを自分に相談してくれなかったことにショックを受けます。友達なんだから、学級会で双葉のために何か言おうと思うのですが、結局言うことができません。
学級会はもめます。
体育委員は勝ちたいので「休め」と言います。障害はないけれど、体育が苦手なので同じように休みたいという子も出てきます。
明るく元気いっぱいな舞花から「仲間外れはいや。一緒にがんばろう」って言われ、双葉は「がんばる」といいます。しかし、その翌日から、双葉は学校に来なくなってしまうのでした。
本が好きでおおなわが得意じゃないという高木レナは、たとえみんなが引っかかってもいいと言ってくれても、いたたまれなくなると、心理分析をして双葉に理解を示します。
「そのさ、おれがいいたいの、誰が悪いとかそういうんじゃないってこと。
おおなわ大会のシステムっていうか、ルールがへんなんだよ。ハンディがある人のこと、よく考えないでつくられている。……」
という森星斗は塾に通っていて家族は成績のことにしか関心がないようです。父親はおおなわとび大会の日には、父親の都合で学校を休ませようとします。
堀川簾は大食いで運動神経ゼロ(本人談)だから、おおなわとび大会には出たくない。双葉はどんなことをしても「がんばったね」って言ってもらえるのに、簾は「ちゃんとやれ」って言われてしまうことに不満を持っています。
目に見える障害を持っている人はいいけど、精神部分とか目に見えない障害では誰も分かってもらえない。

1章ごとに視点がクラスメートの誰かに変わるので、色いろな考えの子供がいるんだなあという当たり前のことに気づかされます。
たぶん読者もきっと、この中の誰かに自分を重ね合わせて読んでいるんじゃないでしょうか。
それぞれに悩み、考え、導き出した5年2組のおおなわとびはどんなおおなわとびになるのでしょうか。
そして気がかりだった双葉は、いったいどんな形で参加するのでしょうか。それとも参加しないのでしょうか。
そもそも双葉は、学校にまた登校することになるのでしょうか。
さくらやクラスメートとの友情は・・・?
気になることが盛りだくさんな「おおなわ跳びません」という物語は、学校行事を疑問に思うに思うことなど、私が子供の頃には考えもしなかったことでした。
いろいろと考えさせられました。ありがとうございました。
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いつもありがとうございます♡久しぶりに子供向けの本の感想を書いてみました。