台風で大洪水があった翌日、あふれたドブ川のそばのゴミ山で、ぼくは変な生き物を拾った。家に帰って洗ってみたら、そいつはカッパの子どもだった。
「おまえはじっぽだぞ、じっぽ。いいな」
そういったぼくを、カッパはまんまるい目で見あげて、
「くるっ」といった。

じっぽーまいごのかっぱはくいしんぼうー/たつみや章・作/あかね書房
どうせ飼ってもらえないだろうと思って、机の下に使わなくなったカメの水槽を置いてカッパにじっぽという名前をつけて、内緒で飼いはじめました。
次の日、学校で友達にカッパを拾ったことを話したら、ウソつきだとみんなにいわれてしまったので、ぼくはじっぽを手さげかばんに入れて学校に行きます。じっぽをみんなに見せると・・・
木下先生は、急に目をつぶって顔をくしゃくしゃにして、おっきく口を開けると、
「きゃ―――――っ!」
教頭先生もやってきます。学校中が大騒ぎになるすったもんだのあげくに、じっぽは学校の池で飼っている金魚をたくさん食べてしまいます。
ぼくはあわてて池にとびこんだ。でも、つかまえようとすると、じっぽはにげた。
びしょぬれになって追いかけるぼくの手から、ひらっとにげながら、パクッ、パクッtと。
「じっぽ、もう! こらっ、こらっ!」
池の中にいっぱいいた金魚が半分ぐらいになっちゃったころ、やっとじっぽをつかまえた。
結局、じっぽに手を焼いたぼくは、大学の生物学研究室に引き取られていってしまうのです。じっぽを取られてがっかりしたけれど、でも、ちょっとホッともしていたのでした。
ところが、じっぱは解剖されて標本にされるかもしれないと聞いたぼくは、じっぽを手放したことを後悔して、助け出そうとひとりで遠い大学病院へと自転車を走らせて行くのですが……。
等身大の子どもの日常と心理描写がうまいので、カッパが出てきても、子供あるあるの非日常の世界にするりと入りこめてしまうのです。
泥まみれになった謎の生きものにシャワーで水をかけると、緑色の見たこともない生きものがあらわになります。
「なんだあ?」
そのとき、それがもごもごっと動いた。
ぼくはあわてて、おふろばのはじっこまでにげた。
「きゅるるる」
と、そいつがいった。
それから、まんまるな目をあけた。
この話は遠い空想の世界に行く物語ではなく、空想の世界が日常にやってくるという話です。通学路や家や学校が話の舞台になっているので、もしかしたらあるかもしれないと思えてきます。
作者のたつみや章さんは、動物のファンタジーを書くのが上手い作家さんですね。
カッパがいるかもしれない。
もしかしたら、どこかで出会えるかもしれない。。
物語の中でもそんなふうに思えることは、ちょっと楽しいですね。
まず最初は、ぼくの目線で、カッパをよく観察して書いています。
じっぽはくいしんぼうでうるさいし、母さんが大切にしているグッピーや学校の金魚も食べてしまうし、なんて扱いづらいんだろうって、ぼくは思っています。
でも、しだいにぼくはカッパの目線から、人間の世界を見るようになります。
ぼくは初めて、カッパだって故郷が恋しいだろうとか、親が心配してるんじゃないだろうかとか、考えるようになります。じっぽがだんだん愛しくなってきたんですね。
じっぽが棲んでいた川ってどんなところなんだろうと思って、近くの川を見ると・・・
私もじっぽが棲んでいるというきれいな川に行ってみたくなりました。
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じっぽーまいごのかっぱはくいしんぼう (あかね創作読物シリーズ 22) [ たつみや 章 ]
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作者 たつみや章
1954年、神奈川県に生まれる。熊本市在住。小説ウィングス優秀賞、アニメディア大賞小説部門賞を受賞する。
「ぼくの・稲荷山戦記」(講談社)で第32回講談社児童文学新人賞・第34回熊日文学賞を受賞。「夜の神話」(講談社)でサンケイ児童出版文化賞推薦となる。
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